和歌山 高野山 金剛峯寺 報恩院 山口耕榮様
平成の大修理にあたり、根本大塔の柱に描かれております堂本印象画伯が昭和17年に揮豪なさいました金剛界十六大菩薩は、縦350cm、横300cmで文化財としても価値の高いものでありますが、画面全体に結露によるカビ、コンクリートの柱より出るアルカリのシミ、湿害等の腐蝕による欠落、急激な乾湿の差による顔料の剥落等の損傷が懸念されていました。
今がその補修の時期であろうという思いで限られた期日と予算の中であさば仏教美術工房に修理をお願いしました。
堂本印象著作権管理者であります堂本印象記念近代美術振興財団に修理の許可とご教示を頂き、堂本印象美術館所蔵の十六大菩薩柱絵草稿を修理の参考に、印象画伯のご遺族、お弟子の堂本尚郎、堂本元次先生のご指導を受けて修復して頂きました。
大きさもさることながら16枚すべてをやり遂げるには、筆舌に尽くしがたいご苦労であったと思います。
その精進努力に際して心より御礼と労いを申しあげます。
ありがとうございました。