ご挨拶
制作活動を含め生活の流れが変わってしまったコロナ禍で、奪われた学校や寺院などでの教学の機会もやっと戻りつつあり、私も工房に籠ることで新たな作品が生まれることを大変嬉しく存じます。
8歳から父の弟子に入り、親しんできた木のぬくもりと香りの中で仏像、動物、童子、モニュメント、その他いろいろなモチーフ、大きさも10センチ位から10メートルを越える物まで取り組んで今日まで参りました。
新たな目で作品を見つめ直し、手を加えたものや完成させた作品を自分の身の周りに置いてみて感じ取った事柄を今後に生かして参ります。
向吉悠睦 拝
コンセプト
頬ずりしたくなるような素直な木、しゃべりすぎる木、
黙りこくって一途な木、人をよせつけようとしないわがままな木、いい木に出遭うことから僕の仕事は始まる。
(中略)(西宮正明写真集「現代の仏像」より)
永い歴史の中で多くの名作が残され、その造仏の精神は現代にも受け継がれています。
仏教美術は、信仰の対象としてのみならず、精神性豊かな美術として日常空間に於いて楽しむこともできます。
昨今のように世相が混沌としている中なればこそ、安らぎと癒しをもたらす仏教美術の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。